8月27日に開催した糖尿病教室のようすをお届けします。今回の講師は管理栄養士。食品交換表についてのおさらいや、栄養指導でのひとコマを動画にして(職員が出演しています♪)みなさんと一緒に振り返りました!
みなさんもよくご存じの食品交換表。摂取できる栄養素ごとに6つのグループに分かれていて、表1・2は炭水化物を多く含む食品、表3・4はたんぱく質を多く含む食品、表5は脂質を多く含む食品、表6はビタミン・ミネラルを多く含む食品となっています。下の図の語呂合わせで、この表を簡単に覚えましょう。いもの1、フルーツの2(ツー)、さかなの3、というように…
食品の中には分類を間違えやすいものがあります。注目するポイントは「多く含まれる栄養素」です。例えば、カボチャは野菜でも炭水化物を多く含むので分類は表1。バラ肉は肉だけれど脂質が多いので分類は表5に…ん~奥が深そうです。
食品交換表でおなじみの「1単位=80 kcal」これは食材のエネルギー量を考えるときに必要です。食材により80 kcalを満たす量には違いがあります。
食品交換表は、同じ表の中の食品どうしを交換をすることで自然と栄養素のバランスがとれる仕組みになっています。なので、上の図にある「表1の白米50 g」と「表3の豆腐100 g」は同じ1単位ですが、交換すると栄養素のバランスが崩れてしまいます。
実際に食品交換表を使うには、自分に合った適正な摂取エネルギー量(身長から計算される標準体重と身体活動量によって決まる)を知る必要があります。そのエネルギー量を80(kcal)で割ると1日に必要な単位量が求められます。この単位数を基準に食材の量を決めます。その時にポイントがあります。
①全単位数を3食に均等に分ける。
②炭水化物(主食)は全体の5~6割に、1食ずつ一定量で。
③摂取エネルギー量にかかわらず表2は1単位、表4は1.5単位。
④表6は1日当たり350g以上を摂取。
⑤薄味を心がけ、調味料は減塩や糖質控えめを取り入れる。
この中の④について、350 gを写真で見ると…↓
一見多く感じても調理するとこのくらいで、毎食野菜料理を1~2品食べることで十分な量が摂取できます。食材や献立を考えるときこれらを参考にすると、バランスの良い食事になりそうですね!
続いて、栄養指導のひとコマの動画で振り返ったことを紹介します。
1、糖尿病の人はそうめんより蕎麦がいい?
先ほど紹介した食品交換表の中では、どちらも分類は表1。炭水化物を多く含む食品なので血糖値を上げる食品です。そして麺類はあまり噛まなくても食べられるし、消化が早いため、食後高血糖を引き起こします。ついつい量を多くとってしまいがちな麺類ですが、1日のエネルギー量から1食あたりの適正量は下のとおり。
結構少ないなぁと思いませんか?食べ過ぎや食後高血糖を防ぐには、麺料理だけで済まさないよう野菜のおかずを1品でも足し、ゆっくりよく噛んで食べましょう。一緒に薬味やネギをたくさん食べても、残念ながら野菜の代用にはなりません。
2、カロリーが高いものは食べない
てんぷらなど脂肪分の多い料理を食べる頻度が高いと、血糖値だけでなく体重のコントロールも難しくなります。だからと言って「全く食べない」のは難しい話し…こんな時は食べるときに工夫をしましょう!油は1g=9kcal、少量だと思っていてもカロリーを摂りすぎている可能性があるので、量には十分注意しましょう。そして油は血糖値を高いまま持続させます。炭水化物+油脂(カレーや衣の付いた揚げ物など)は摂りすぎないようにしましょう。自分で調理するときは衣を薄めにつけたり、脂身の少ないお肉を選んだりするのも良いですね。
3、間食に含まれる炭水化物量
ここでは「炭水化物選手権ーお菓子編」と題して、お菓子に含まれる炭水化物量をみんなで予想してみました。エントリーしたお菓子は、クッキー・ショートケーキ・大福・せんべいなどみんなが大好きなあの子たちです!さて結果は...↓
なんと!大福が1位で53 gの炭水化物を含んでいます。これは白米お茶碗1杯分に相当します。間食として摂る炭水化物の量は10~15 gの範囲が目安とされているんですよ。
4、飲み物に含まれる栄養素
みなさん野菜ジュースや黒酢などを健康のために飲んでいませんか?野菜ジュースの成分表にはたくさんの種類の野菜が書いてありますが、食物繊維の含有量に注目したことはありますか?ある野菜ジュースの食物繊維含有量は「1.9 g」でした。しかし1日の食物繊維摂取量として推奨されているのは男性20 g・女性18 gなので、約10分の1しか摂れません。野菜を食べる1番のメリットは「食物繊維を摂取できること」なので、形のある野菜をよく噛んで食物繊維をしっかり摂取しましょう。
そして、黒酢ドリンクなどには甘みを出すために果糖ブドウ糖液糖などの糖分を含みます。量を摂りすぎてしまうと血糖値を急上昇させる恐れがあります。お酢は料理で上手に摂取するようにし、1日の定量の大さじ1杯程度に抑えましょう。
日ごろから食事や食品に気を付けていても、見落としてしまっていることもあります。時々基本を振り返りながら、バランスの良い食事を続けていきましょう♪
次回は10月29日に薬についての教室を開催予定しています。みなさんで楽しく一緒に学びましょう!