大石病院通信

広島県福山市川口町の大石病院です

糖尿病教室「食後高血糖ってなに?」

 8月26日に行った糖尿病教室の様子をお届けします♪
 今回のテーマは「食後高血糖ってなに?」ということで、参加された方々の血糖値の測定からスタートしました。昼食後の血糖値がどのくらいか確認です...

 

 食事をして2時間後の血糖値が140 mg/dL以上のことを「食後高血糖」といいます。糖尿病でない人も食事をすると血糖値は高くなります。しかし140 mg/dLは超えません。なのでこの値が基準となります。


 なぜ食後の血糖値が高いと良くないのか?
それは、食後高血糖が続くことで合併症(動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞・認知症・がん)のリスクが上がるからです。また、一日の中で血糖値の変動が小さいほうが良いとも言われているので、HbA1c(血糖値の1~2か月間の平均)の値だけでなく空腹時・食前と食後の血糖値の差にも注目してみましょう。日ごろ空腹時や食前に測定することが多い方は、食後や間食をした時など測るタイミングを変えてみると、血糖値が変動していることを実感できるかもしれません。

 


 では、食後高血糖を防ぐにはどうしたらよいか?今回は4つ紹介しました。
① 食事を抜いたり、まとめ食いをしない
 1日の最初に食べる食事は次の食事の血糖値にも影響します(セカンドミール効果)。最初に摂った食事のインスリンの効果が持続して食後高血糖が抑えられるようになるので、1日3食食べましょう。

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② 主食・主菜・副菜をそろえる
 主食を食べると血糖値はすぐに高くなります。お米やパン・麺類だけで食事を終えてしまうのではなく、緩やかに血糖値を上げるたんぱく質や野菜も一緒に摂るようにしましょう。


③ 野菜から食べる
 野菜に含まれる食物繊維には食後の血糖値を抑えるはたらきがあります。一日に必要な野菜の量を3食に均等に分けると、1食当たり小鉢1~2品になります。毎食その程度の野菜を最初に食べると、食後高血糖も抑えられて野菜の量もしっかり摂ることが出来ます。

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④ ゆっくりよく噛んで食べる
 早食いをするとインスリンの働きが追いつかず、食後の血糖値が急上昇しやすくなります。ゆっくりよく噛んで、食事ごとに最低でも15分かけて食べるようにしましょう。

 


 今年の夏もとても暑い日が続きました。汗もたくさんかいて喉が渇いて、水分を摂ることが増えましたよね。飲み物に含まれる糖質量、気にされていますか?
最近スーパーやコンビニでよく見かける「糖質オフ」や「低糖質」、「〇〇味の水」ですが、甘みが少ないからといって糖分が含まれていないとは限りません。
どのくらい糖分が含まれているか紹介しました。
それぞれペットボトル1本分の糖質量を、スティックシュガーの本数で比較しています。

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 もも味の水には8本分、スポーツドリンクには10.3本分、炭酸飲料には18.8本分含まれています。飲み物は1度にたくさん量を飲んでしまうこともあります、また体内に吸収されやすいため、血糖値を急激に上げてしまいます。成分表示で糖質の量を確認するなどして、上手に選んでみてください。

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 教室では最後に、旬の食材を使った簡単に作れるレシピの紹介もさせていただきました。

 

  

 次回の糖尿病教室は10月28日(月)13:30~、内容はおくすりについて予定しています。詳しい内容は院内に掲示させていただきます。