5月18日は「5=ファイブ 1=イ 8=バ」の語呂合わせで、
ファイバー(食物繊維)の日です。
食物繊維は健康に良いと聞いたことがあるけど具体的には知らないという方は
多いのではないでしょうか?
今回は、食物繊維について詳しくお話します。
食物繊維とは?
食物繊維とは、人の体内にある消化酵素では消化できない成分の1つで、
健康のためには重要な役割を果たしており、第六の栄養素ともいわれています。
水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。
[水溶性食物繊維の働き]
①小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし食後の血糖値の上昇を抑える
②コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値を
低下させる
③ナトリウムを排出する効果もあり高血圧を予防する
[不溶性食物繊維の働き]
①水分を吸収して便の容積を増やすことで大腸が刺激され排便がスムーズになる
②有害物質を吸着させて便と一緒に体の外に排出するため腸をきれいにして
大腸がんのリスクを減らしてくれる
どちらも大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌を増やし腸内環境を改善します。
このような働きが、健康維持と疾病予防に大きく関わっていることが明らかになっています。
食物繊維が不足すると、動脈硬化、虚血性心疾患、腸疾患、脂質異常症、糖尿病、肥満、コレステロ-ル胆石症などにつながるため、生活習慣病の予防や治療には、低カロリーで噛み応えがある食物繊維を十分に摂取することが重要です。
どのくらい摂取すればいいの?
では、1日にどのくらい摂取すればいいのかというと、
男性は21g以上、女性は18g以上(18~64歳の場合)とされています。
しかし、実際には男女問わず全ての年代で十分に摂取できておらず、
特に若年層での不足が目立っています。
どの食品に食物繊維が多く含まれているの?
食物繊維は主に穀類、野菜類、豆類、きのこ類、いも及びでん粉類、果物類、
種実類、海藻類に多く含まれています。
100gあたり
1日分の食物繊維を摂取するにはどうしたらいいの?
1日分の野菜は350gとよく言われますが、野菜350gで約1日分の食物繊維が摂取できます。
70gの野菜を5回食べればいいので、毎食小鉢サイズの野菜料理を1~2品付けると
1日分の野菜を摂ったことになります。
ほうれん草のお浸しや具沢山のみそ汁など、野菜、きのこ、こんにゃく、海藻を使った料理がおすすめです。
生のままより煮たりスープにしたりすることで、かさが減りたくさん食べることができるため、より多くの食物繊維を摂ることができます。
※野菜の中でも、芋類(じゃがいも、さつまいも、山芋、里芋など)、
かぼちゃ、れんこん、とうもろこしはご飯やパンと同じ仲間で、
炭水化物の多い食品で、血糖値上昇につながるので食べ過ぎには注意して
ください。
※野菜不足の時によく取り入れられる野菜ジュースや青汁は、
スティック砂糖6本分相当20g前後の糖質が含まれているものもあり、
血糖値上昇につながるので、野菜はジュースではなくなるべく生として食べる
ようにしましょう。
次回のブログ版糖尿病教室は、7月に看護師によるフットケアについてのお話を
予定しています。どうぞお楽しみに!