大石病院通信

広島県福山市川口町の大石病院です

糖尿病教室②「フットケア・災害への備え」

 糖尿病教室①「低血糖・シックデイ」 - 大石病院通信の記事に続いて紹介するのは、7月29日(月)に行った教室の「フットケア」と「災害への備え」についてです。

 

<フットケア>

 フットケアについて話した看護師は、趣味が温泉や旅行。ということで実際に本人が家族と訪れた九州各地の観光地を紹介しながら、「なつのあし旅~九州編~」と題してフットケアを教えてくれました。

 旅行中は長い間車を運転したり長距離歩いたり、足をよく使います。そんな時に大切なのは、快適に過ごせる靴下と足を痛めない靴選びです。靴下のおすすめはシルクの生地のもので、靴選びにもポイントがあります。

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 九州は各地で温泉が有名です。足湯など人前で素足になる機会で、胸を張って綺麗な足を出せるように日ごろから足を清潔に保ちましょう。足をしっかり観察しながら丁寧に指の間やつめの間もしっかりと洗うように心がけましょう。また、湯船にいきなり入るとやけどの危険があります。手や腕の内側で温度を確かめて入りましょう。

 

 夏はサンダルや素足で歩くことが多くなります、足に傷や怪我を負いやすくなるので注意が必要です。健康な足を守るためには少なくとも一週間に一回は足の観察をしてください。曜日を決めるなどして習慣づけると良いかもしれません。

 今回のフットケアのまとめは「な・つ・の・あ・し」と覚えてください。

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 当院糖尿病外来では、患者さんの誕生日月の受診日を目安に「足チェック」に取り組んでいます。みなさんの足を健康に保つためのお手伝いをさせてください。

 

<災害への備え>

 日本は自然の災害が非常に多い国で、地震・津波・火山の噴火・台風や土砂災害が毎年のようにあります。記憶に新しいのは昨夏の西日本豪雨災害。大きな被害となり、日ごろから十分な備えをしておくことが大切だと身に沁みました。

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 家庭でできる備えを紹介します。

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 家具が倒れないように壁に固定し、なるべく背の低い家具を置くようにして倒れても出入り口をふさがないように工夫しましょう。手の届くところに懐中電灯やスリッパがあると安心です。

 糖尿病のインスリンや内服薬の備えとしては、最低3日分のお薬を持っておくようにしましょう。また、自分が使っている薬の名前も重要です。お薬手帳を持ち出せると良いですが、もしものために写真に撮っておくと尚良いです。その写真を家族と共有しておくと役立ちます。

 食料・飲料の備えですが、飲み水としては一人あたり3L用意しておくと良いそうです。しかし、それとは別に生活用水も必要なのでお忘れなく。非常食として今回は2つ紹介しました。缶で保存されているパンと、水を注ぐだけでご飯ができるアルファ米です。

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 実際に試食もしてみましたが、お皿からみるみるうちに無くなっていく方もいて、美味しく食べられるようです。災害時は食事や味に贅沢は言えないのでありがたいですね。

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 災害時には通常、支援が来るまで3日程度かかります。備えについて紹介しましたが、「生きる!生き残る!」という気持ちも備えと同じくらい重要かもしれません。

 

 今回も多くの方に参加していただきありがとうございました。

 次回は8月26日(月)13:30~「食後高血糖ってなに?」について栄養士がお話します。みなさんのご参加お待ちしております♪