大石病院通信

広島県福山市川口町の大石病院です

糖尿病教室「知って得する薬局の話」

 

10月29日()に糖尿病教室を開催しました。今回は特別に、院外薬局の薬剤師さんに講師を務めていただきました。そして菜摘子先生主催のおくすりクイズにみんなで挑戦しました。

 

まずは、薬局の薬剤師さんのお話からです。

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病院で処方される薬の中には「先発医薬品」と「ジェネリック(後発)医薬品」の2つがあります。先発医薬品に設けられている特許期間を終え、その薬を開発した会社以外でも販売可能となったお薬のことを“ジェネリック”と呼んでいます。

ジェネリックが先発品と違うところは、色・形・添加物で、薬の有効成分には変わりはありません。添加物には薬の苦みを抑えるなどの役目があり、どの薬にももちろん先発にも入っています。ジェネリックでは、先発品より錠剤を小さくする、錠剤が苦手な方向けにゼリー状や液状に変える、飲み間違いを防ぐため薬に名前を入れたり色を変えたりする、などの工夫がされています。

ジェネリックの価格が安い理由は、先発品に必要な長期の開発期間や膨大な開発費用がかかっていないからです。糖尿病や高血圧の薬の中にはジェネリックに変えると年間4,0006,000円程度安くなる薬もあるそうです。特に、薬の種類が多い方・長期間にわたる服用が必要な方はジェネリックを選ぶと薬代の節約になります。

 

続いて残薬についてです。病院でもらった薬が家に残ってしまった時には、病院や薬局に相談しましょう!残薬は再利用することができ、それを使って薬の数を調整することで、負担金額も減らせます。薬が残る理由によっては飲み方や種類の変更もできるので、遠慮せず相談してください。

 

みなさんはおくすり手帳を普段どのように活用していますか?おくすり手帳は、飲んでいる薬を正確に伝える、薬の飲み合わせやアレルギーの有無を確認するなどに役立ちます。ここで大切なのは「1冊にまとめること」です。時系列に薬の情報が分かり、持ち運ぶのにも便利です。

さらに、血圧や体調の変化を記入、一般用医薬品や健康食品なども記録しておくと良いそうです。最大限におくすり手帳を活用しましょう。合わせて、糖尿病連携手帳も病院だけでなく薬局にも出してもらうと完璧です!

おくすり手帳は災害時にも役立ちます。飲んでいる薬を正確に伝えることがいつもに増して難しい状況です。日ごろからおくすり手帳を携帯・同じ場所に保管することがいざというときの備えに繋がります。

 

最後に、薬の正しい飲み方を再確認です。

     錠剤やカプセルは潰さず外さずそのまま飲みましょう

     薬を飲むときは水かお湯で、コップ1杯分の量(200ml)と一緒に飲みましょう

薬の効果を十分に発揮するため、副作用を起こりにくくするためには正しい飲み方での服用が大切です。

 

 

続いて参加者全員でグループを作り、おくすりクイズに挑戦しました。全部で5問、あなたも挑戦してみてください!

 

問1.   注射とはインスリンのことだ(〇・×)

問2.   血糖値を下げるために使われる飲み薬の種類は?(3種類・5種類・7種類)

問3.   糖尿病と言われた人が最初に使うのは誰でも同じ薬である(同じ・ちがうかも)

問4.   インスリンが作用してブドウ糖を代謝する細胞は肝臓・筋肉、もうひとつは何?(脳・赤血球・脂肪)

問5.   糖尿病の飲み薬には1日1回、1日2回、1日3回飲む薬以外はあるか?(1日10回・1週間に1回・それ以外はない)

 

 

では答え合わせです♪

解答1.×

インスリン注射のほかに「GLP-1受容体作動薬」があります。不足しているインスリンを外から補うのがインスリン注射で、膵臓からインスリンを出すためのホルモンを補うのがGLP-1受容体作動薬です

解答2.7種類

糖尿病のお薬は、膵臓からインスリンを出す薬(3種類)糖の吸収を抑える薬・糖を尿として出す薬(2種類)インスリンの効きをよくする薬(2種類)の3つのグループに分かれていて全部で7種類ありますf:id:oishi-hp:20181031193549j:plain

解答3.ちがうかも

先ほどの3つのグループの薬はそれぞれ作用する場所が違うので、ひとりひとりの状態に合った薬で血糖値を改善します

解答4.脂肪

インスリンの働きによって肝臓・筋肉・脂肪にブドウ糖が取り込まれます。ブドウ糖は脂肪では中性脂肪となって蓄えられています。

解答5.1週間に1回

膵臓からインスリンを出す薬であるDPP-4阻害薬には、1週間に1回飲むだけでよい薬があります。

 

参加者の中で全問正解のグループは1組でした!みなさんはいかがでしたか?

 

今回の教室では、ジェネリックや残薬・おくすり手帳などに関する耳寄りなお話しが聞けました。おくすりクイズも盛り上がり、楽しく薬について知ることが出来ました。

 

 

さて、皆さんご存知(?)11月14日は世界糖尿病デーです。それに伴って大石病院では11月12日~16日を糖尿病週間としてイベントを行います。

12日には運動に関する糖尿病教室(13:30~)を、15日にはオレンジ食事会(12:30~)を開催します!またこの期間中に内臓脂肪や認知症検査のお得なキャンペーンもしています。ぜひ足をお運びください!