7月30日(月)に開催した糖尿病教室の様子、第3弾です!
みなさん、糖尿病の方が骨粗鬆症になりやすいことはご存知でしたか?今回は、骨粗鬆症がどんな病気か、なぜ糖尿病の方が骨粗鬆症になりやすいか、について紹介します。
- 骨粗しょう症はどんな病気?
骨粗しょう症とは、骨の強度が低下し骨折する危険性が高くなる病気です。骨の量の減少や、骨の質が悪くなりしなやかさが無くなることで骨折しやすくなります。健康な骨と比べてみましょう。
骨粗鬆症の骨は、骨が細くなったり切れたり弱くなったりして、もろくスカスカの状態になっているのが分かります。
この病気で骨折しやすい場所は4か所あり、腕のつけねの骨・手首の骨・背中の骨・足の付け根の骨と言われています。その中でも1番骨折しやすいのが、背中の骨です。
ポキンと音がするように折れるのではなく、骨がつぶれるように折れて圧迫骨折となります。1か所骨折すると、2か所、3か所とドミノ倒しの様に骨折してしまいます。また、足の付け根の骨折は半年後に元通りに近い状態で歩くことが出来る人は全体の50%程度で、歩けなくなり寝たきりの生活になってしまう恐れもあります。
骨粗鬆症を引き起こすものには様々なものが挙げられ、喫煙をしている人の骨折のリスクは1.3~1.8倍、飲酒量が多い人のリスクは1.4倍に上がるとされています。その他には運動不足や骨密度が低いことなども原因となります。骨密度とは骨の強さを表す目安です。当院では、手のひらをレントゲン撮影して測定するMD法で、骨密度を計測しています。
この検査で70%以下の方は骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症の治療は、生活習慣の改善(食事療法・運動療法など)と薬物療法を並行して行います。そして、薬物療法で最も大切なのは下の通り。
お薬を処方された通りに、根気よく続けていきましょう。
- 糖尿病の方が骨粗鬆症になりやすい理由
その理由は、インスリン不足と血糖コントロールの不良です。
インスリンは「血糖値を下げる」だけでなく「骨を作る細胞を増やす」働きもあります。骨は古い骨を壊す働きと新しい骨をつくる働きがあり、この2つの働きが繰り返され、徐々に新しい骨へと生まれ変わっています。なので、インスリンが不足すると骨を作る細胞が増やせず健康な骨が作られにくくなってしまいます。
そして、血糖コントロールの不良は「骨質の低下」をもたらします。骨の構造を鉄筋コンクリートに例えると下のようになり、骨密度=コンクリート 骨質=鉄筋です。
骨質が低下するとこの鉄筋がバラバラになり骨がもろくなってしまうので、良好な血糖コントロールは骨を守ることにも繋がります。
糖尿病の方の中でも、罹病期間が長い人・HbA1cが7.5%以上の人・インスリン注射を使用している人は骨折の可能性がさらに高くなるので、特に注意が必要です。
良好な血糖コントロールを手に入れ、骨粗鬆症も防ぎ、健康寿命を延ばしましょう!!
次回は4本立ての最終回、「フットケア」についてご紹介します。
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