大石病院通信

広島県福山市川口町の大石病院です。

糖尿病教室「糖尿病と腸の深い関係」

5月28日(月)に、今年度最初の糖尿病教室を開催しました!

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今回は糖尿病と腸の関係について。

外来患者さんから

「酢キャベツやヨーグルトが腸に良いってテレビで見たんよ!」

「やせ菌っていうのがあるらしいね」

というような話しをよく聞きます。

どうやら最近は、腸内細菌に注目が集まっているようですね。

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私たちが口にした食べ物は消化され小腸で吸収されます。しかし食物繊維を消化することはできず、これが大腸に到達すると腸内細菌が餌として分解していきます。食物繊維は腸内細菌によって分解されると短鎖脂肪酸(酢酸,酪酸,プロピオン酸)に変わり、①腸管免疫 ②腸管バリア という2つの大切な役割を果たしてくれます。

しかし、腸の中にいわゆる悪玉菌がたくさんいると、この2つの役割が低下し、腸内細菌が産生する毒素(LPS)や細菌そのものが血液中に入り込み慢性炎症を起こします。そして脂肪にも炎症を起こし、これがインスリン抵抗性の原因の1つとなります。

ほかにも短鎖脂肪酸には、インスリン分泌を助けるGLP1・食欲を抑えるPPYの分泌を増やす作用もあります。また、脂肪蓄積を抑えることもわかっています。なので、善玉菌を増やすことも糖尿病を良くすることのひとつと言えます。

 

ところで食事は国別に違いがみられますが、わたしたち日本人と近い腸内細菌を持っているのは、どこの国の方なのでしょうか?f:id:oishi-hp:20180531121245j:plain

 なんと意外にも、フランス・スウェーデン・オーストリアだそう。あれ?場所も遠いしおまけにどんな食事してるかあまりピンときませんね。食べ物だけで腸内細菌のすべてを説明することは難しいようです…。が、野菜・穀類・豆を食べるとやせ型の腸内細菌を多く持つことは分かっています。

 

では、ヨーグルトは本当に良い菌を増やしてくれるのでしょうか?腸の中にはたくさんの腸内細菌がいて、菌どうしでフローラという集団を作り、腸内の縄張り争いをしています。

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 ヨーグルトの中の菌を見てみましょう。

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 菌の数・種類は腸内全体と比べるととても少なく、縄張り争いに勝つには力が弱いようです。また、最初に挙げた酢キャベツですが、体に良い、酢と食物繊維をとるという点で注目されているようで、キャベツにこだわらなくてもいいのでは…と言えそうです。

 

では、どのように腸内に良い菌を増やしていきましょうか?
まずは油を控えること。高脂肪な食事は腸内細菌のバランスを悪いものへ変えてしまいます。 なるべく油を控えた食事にしてみましょう。
そして食物繊維を摂ること。食物繊維を多く摂ると短鎖脂肪酸も増えるので、脂肪の蓄積を抑制できます。きのこ・海藻類・ひじきなど繊維質の多い食品を増やしたり、玄米や雑穀米を白米に加えて炊いたり、など少し工夫してみましょう。
酢を選ぶときには、リンゴ酢など甘みの強いものは避けて、上手に食事に取り入れていきましょう。

また、油を控えた食事や糖質を控えた食事で、2~6%の体重を落とすことで腸内細菌が変わっていくと言われているそうですよ。

 

 

次回の糖尿病教室は7月30日(月)、低血糖やシックデイなどについてお話しする予定です。また、6月12日(火)13:30~14:30に骨粗しょう症教室を開催します!場所は当院リハビリ室となっています。ぜひご参加ください!!